妹とは言っても血の繋がりはないんだけど
俺が小学4年の時に家に来たんだ
4歳年下の
小学1年生で
俺24歳
妹20歳で亡くなった
話しかけてもだんまりばっかりで
親が話しかけると
うん、はい
とかの返事はするけども反応は薄い
俺が話しかけると首を縦に振ったりするけども
声を出してくれなかった
親とは学校での出来事を話したりするようにはなってたけど
俺とは相変わらず
うん、とか反応はするようになったけども
殆ど会話は無い
そんなときに帰り道に妹が同じクラスの子たちにいじめられてるのを見かけたんだ
捨て子とか悪さしてたから施設に入れられたんだろとか
いじめっ子を撃退したんだ
手は出さずに何してんだ!!!って声出してだけで
逃げて行ったわ
妹にお兄ちゃん頼れって言ったのは覚えてる
それからは少しずつだけど
話をしてくれるようになってくれた
いじめると兄貴が出てくるとでも思ったのか
いじめも無くなったんだ
俺が中学に入学したときには
本当の兄妹のようにくだらない話をしたりと
周りから見ても普通の兄妹に見られてたと思う
死んだ話
ではなく、
単なる思い出話。
亡くなった原因は白血病
発症から一年ちょいで亡くなったわ
心にぽっかりと穴が開いた感じ
なにもやる気起きないし
両親も暗くなってる
なんだかまだ亡くなったとか信じたくなくて
2年半前に父親倒れて10日で亡くなったが未だにむせび泣く日が月1、2であるわ。
父の日に夢に出てきたときは起きた瞬間大声で泣いた
泣いた
俺が高校の頃に
妹は中学に入って
そのころには性格も明るくなってて
友達も増えていた
中学では陸上部に入るって言い出して
小学校の時に伸ばし続けていた髪をばっさりと切ったのには驚いた
そういう気持ちはあった?
あったんだと思う
妹とは言っても
血の繋がりは無いし
普通にかわいかった
帰宅して、すぐに風呂、飯、寝るを繰り返してた
練習が相当キツかったんだと思う
自主練で朝ランニングを始めたり
すごく努力してた
学年が上がる頃には
この種目は妹って固定になるくらいになっていた
応援していた
中学最後の大会で
念願のリレーメンバーに選ばれた時は
泣いて喜んでたのをよく覚えてる
大会ではアンカーを任されたけども
バトンパスに失敗して、表彰台を逃したのを自分の責任だって泣いてたなぁ
会社が遠いから、会社の寮に入ることになった
お兄ちゃんと離れられて嬉しい
って言われたときは少しショックだったわ
そんなこと言いつつも毎日メールよこしてたなー
学校の出来事とか
親がこうだーとか
妹も高校に入学して
そのまま陸上を続けるのかと思ったら
美術部に入るとか言い出すもんだから
親がびっくりしてた
あとになって、なんで美術部にしたの?って聞いたら
もう日焼けとかはいいかなって
同じクラスの子に告白されたってメールが来て
びっくりしたわ
どうしようとか言われて
とりあえず一緒に遊んだりしてみてから決めれば?
遊んだことも無いのにすぐに付き合ってくださいはないだろって返した
高校生なんてセク□スしたくてムラムラしてるから
セク□ス出来ればいいだろって男ばっかりだと思ってたわ
どこで?って聞くとすぐに場所を言ってくれたので
友達と一緒に妹のデートを見に行くことに
ストーカーみたいだよなぁ
待ち合わせ場所について
遠くから告白してきた男を見てみると
武井壮を少し弱くさせたような顔で
もっとチャラチャラした奴とかと思っていただけに
よくわからない安心感があったわ
男の顔を見てからその場を離れて
妹からのメールで楽しかった報告を聞いて
ひとまず安心した
その後は武井くんと遊ぶようになってから妹は告白の返事をして
付き合うことに
変な偏見を持っていたけども
妹が亡くなるまで付き合うことになるとは全く思っていなかった
俺にメールは送られてくるけども
武井くんのことが大半だった
嬉しいような悲しいような
でも、妹が楽しそうにしてるならいいかなって
高校生活も楽しく過ごしてきて
受験シーズンになるとメールの数が減ってきた
妹は国立でも上の大学
武井くんは同じ所に行きたい!と意気込んで
ものすごく勉強してたとメールで報告された
幸い二人とも生還出来たんだけどね
ドナーが見つからなくて
亡くなってすぐにドナーが見つかったと医師に言われたのが悔しいわ
どんな感情って
自分でもよくわかんないわ
いや
いいんだ
妹が死んだって受け入れられてないんだ
武井くんは学部を変更して、妹と同じ大学に合格
大学合格が決まってから
2人で遊ぶことが増えて
実家に帰ったときに武井くんを見たら
少し感じが変わったなと思って
やったの?って聞くと
あっ、いや、そのーって焦ってたのがおもしろかったな
俺は素人童/貞だけどね
武井くんと同じ場所でバイトを始めて
サークルには入らず
大学生を楽しんでいた
武井くんは免許取るために合宿に
妹は免許はいいやーって取らないでいた
ありがとう
ちょっと涙が出てきたわ
止まるまでまっててほしい
妹に異常が起きた
熱が下がらず、アザが体に出始めて
なにより、鼻血が出るようになっていた
母親がこれは普通じゃないと
すぐに病院に行って、検査をすると
急性白血病と診断された
それからはもう慌ただしく
急性の場合は普通のガンで言う
ステージⅣレベルと言われて
入院からすぐに治療の開始
担当医も合併症に注意しつつ
抗がん剤治療を進めていきますと
昔のように完全に治せない病ではないので
ドナーを待ちましょうと
俺も週末は病院に行くようになっていた
武井くんも授業やバイトの無いときは病院に来てくれていた
正直
なんで妹がこうなるんだと思った
妹さんとドライブに行くために買いました
必ず治ると俺は信じてますから!
って言われたときは
妹はダメかも知れないと思っていた
それぐらい日に日に体は細くなり
顔色も悪くなっていた
時間だけが過ぎていき
先月、誕生日を迎えて
一週間後に亡くなった
誕生日からすぐに体調が悪くなり
医師も何も出来ず
看護師から
私が死んだら、渡して欲しいと頼まれていたと
渡されたものは
家族と武井くん、武井くんの家族
そして、お世話になった看護師と担当医に宛てた手紙だった
施設に居たときから男の子にいじめられてて
お兄ちゃんと話すのが怖かったけど
いじめっ子から助けてくれたときに
この人は良い人なんだ
私を守ってくれるんだと
信用出来るようになったと書いてあった
それからは本当のお兄ちゃんのように楽しく、ケンカもしたりしたけど
いつも助けてくれてありがとうと
ダメだ
読み返してるだけで涙出てくる
ここまで読んだら涙が…
電車だからもう続き読めない
施設に迎えに来てくれてありがとうと
こんな私を家族として迎え入れてくれたことに感謝していると
病院で読み出したから
両親は泣き崩れてた
俺は車の中で1人読んで
泣いた
私のことを好きになってくれてありがとう
楽しい日々をありがとう
一緒にドライブ行けなくてごめんね
私じゃない、素敵な女の子を乗せてあげてと
私のことを忘れるのは大変かも知れないけど
いずれは忘れて
素敵な女の子と知り合い
結婚して、良い家庭を築いてください
あなたと出会えたことを本当に嬉しく思いますと
こんな感じに書いてあったと
武井くんから言われた
亡くなって1ヶ月はあっという間に経つのが悲しい
仕事中に
妹が危篤と言われて
病院に行ったときに
出血が止まらず、吐血をし続けて
お兄ちゃん来たぞ!って言ったときに
うっすら笑ったように見えたわ
その後、すぐに亡くなってしまったけど
俺が来たのがわかったのかなって
妹が産まれて少し経ってから
母親が男を作ってそのままいなくなり
父親が1人で育てて
3歳の時に保育園に来ない妹を心配して
保育士が家を訪ねると
父親は布団の中で亡くなってて
冷蔵庫の中のものを食べてる妹がいた
って俺の親から聞いた
父親は過労死だったそう
家族や友人に幸あらんことを