【幸せな話】5年前ベランダに猫がやってきた

ちょっと聞いてくれよ

5年前の話ね

当時俺は大学3回生だったんだ
(留年して2回目の3回生)
その時には大学から歩いて5分くらいのところで一人暮らししてたの

そのアパートの1階に住んでたの
そして、当時アマゾンで買い物ばっかりしてたから段ボールの処理に困ってベランダに結構な量放置してたの

そして、ちょうど今みたいに寒い日の夜にベランダからニャーニャー聞こえてくるわけよ

あれ？っと思ってベランダに出て積み重なった段ボールの中見たら小さい猫がいたのね
たぶん野良猫なんだけど全然逃げなかったの
そしてら寒そうだったからカイロを段ボールの中に入れてあげたのね

ほんで、その日はそのままにして次の日に段ボールの中見たらいなかったの
あーどっか行っちゃったのかーとちょっと寂しかったけど、特に気にしてなかったの

そして、その日は学校いったあとにバイトして夜に帰宅したの
そしたら、またベランダでニャーニャー聞こえたの
そして、段ボールの中見たら案の定昨日の猫がいたのね
また、段ボールの中にカイロを入れてあげて俺の晩飯用に買ってたちくわをあげたの

人いる？

人いないのか…
でも、語らせてもらいます

そしたら、ものすごい勢いでちくわ食うのよ
よく見たら痩せてるしお腹すいてたんだなーと思って残りのちくわを全部箱の中に入れて俺は部屋に戻って晩飯食べたの
そのあと、こっそり段ボールの中見たら猫がクークー寝ててかわいかったー

そして、一週間位たった日の夜にピンポン鳴ったのね
こんな時間に誰だろうと思ったら、隣にすんでる(同じ大学のこ)こだったの
アパートでも学校でもたまにすれ違うから知ってる程度だったけど、ピンポン押されたことなかったからビックリしつつ開けてみたの

そしたら、開口一番「猫飼ってます？」って聞かれたの
このアパートはペット禁止だったから俺は焦って固まってたら、「私、猫大好きなんです」って言ってきた
苦情をいいに来たのかと思って焦ったけどそうではなさそうなので事情を説明してベランダに案内してあげたの

そしたら、ベランダのアマゾンの箱の量に驚いてた

猫にちくわあげた次の日から毎日猫缶とカイロを取り替えてあげてたんだけど、さわったりはしたことなかったの
でも、隣の彼女はその猫を抱っこしてた
そして、ベランダめっちゃ寒かったから(俺は部屋着だったし彼女は上着着てなかった)部屋に戻るって聞いたら、うんって言って猫だいたまま部屋に入ってきたの

とりあえずコタツに入って二人で猫のこと可愛がってたの
テレビつけてたんだけど当時出始めだった(今では知らない人はいない)小島よしおが出てたの
彼女は小島よしおを見るのが初めてだったらしくて、爆笑してた
そして、猫に名前付けませんか？って言われて二人で悩んでいたら彼女が
「雄猫だし、よしおはどうですか？」
って言ってきたの
それで、この猫はよしおって名前に決定したの

それで、その日は猫はやっぱりいいですねーって言って彼女は部屋に戻っていったの
そして、次の日もバイトが終わって帰ってきたらピンポン鳴ったのね
そしたら、案の定隣の彼女だったのね
そして、彼女はカレーの入った鍋を持ってたのね
「カレー作りすぎちゃって、もしよかったら食べませんか？」って言ってきたの
こんなこと初めてだったからビックリしたんだけど、お腹すいてたしありがとーと言って鍋を受け取ろうとしたら、「私も一緒に食べていいですか？」って言ってきたの
そう、彼女の本当の目的はよしおだったの
彼女の目的がわかった俺はどうぞと言って部屋にあげてあげたの
そしたら、一目散にベランダに行ってよしおを部屋に入れてた

そして、俺がカレーを温めている間、彼女はよしおに猫缶食べさせてたの
俺は「ご飯炊いてないけど、どうしようかなー」と思ってたのね
そこで、彼女に
「ご飯炊いてないけどどうしようか？今から炊いたら遅くなっちゃうよね？」
って聞いたのね
彼女はどうやらよしおに会うための口実のためだけにカレーを作っていたらしく、ご飯のことは全く考えていなかったらしくアワアワしてた
そこで、朝御飯用の食パンつけて食べようかってことになったのね

そして、カレーに食パンをつけながら食べたんだけど、これが結構美味しくて二人でパン一斤全部食べたの
彼女はパンの耳をよしおに食べさせてたから正確には二人と一匹で一斤食べた
そして、そのとき初めて彼女とちゃんと喋ったんだけど、どうやら学部が違うけど彼女も3回生だったらしい(俺は二回目の3回生だけどね)

そして、俺はこの時に既に彼女に惚れてた
俺は理系だから女の子の耐性がほんとになくてもうメロメロだった
カレーを食べ終わって、彼女もよしおと一通り遊んで満足したみたいだったし、夜も遅かったから解散することになったの
でも、ホントに彼女はカレーを作りすぎていてかなり余ってたのね
そこで、彼女は
「明日の朝にカレーうどん食べますか？そして、そのあとペットショップと獣医さんに行きますか？」
って聞いてきた
そう、彼女の目的はよしおだった
俺は朝御飯の食パンもないし、土曜日でバイトは夕方からだったしOKした

そして、朝になって約束の時間の9時ちょうどにピンポン鳴ったのね
彼女は冷凍うどんと調味料持ってた
俺はそれがなんかおかしくて笑ってしまったのね
そしたら彼女は
「そんなの関係ねー、そんなの関係ねー、はい、オッパッピー♪」
って、言いながら部屋に入ってきた

ほんで、この時は何も考えてなかったけど、よしおは朝になったらどっか行くのね
彼女はオッパッピーっ言いながらベランダに行って、次によしおはー！？って言いながら戻ってきた
彼女は落ち込みながらカレーうどん作ってくれた
油揚げも入ってるし、出汁でカレーを割ってて本格的でめちゃくちゃ美味しかった
そして、獣医さんは行けないけど、ペットショップなら行けるねってなって二人で車で近所の大きなペットショップに行ったのね

ペットショップでエサと布製のクッションみたいな猫の部屋みたいなのを割り勘して買った
そして、部屋に戻ってこれからよしおをどうするか話し合った
前にも書いたけど、このアパートはペット禁止
なかなか答えが出なかった
そして、二人で考えながらテレビ見てた
そしたら、また小島よしおが出てきた
このときは小島よしおを見ない日はなかった

そして、話はよしおのことから世間話へと移っていった
この時に、彼女は教育学部であることや地方から出てきていることなど色々知った
いつの間にか敬語からタメ口になり、今までの俺からしたら考えられなかった
そして、お腹すいたなーってなって昼御飯どうしようかってなった
そしたら、彼女は親子丼を作ってくれた
後々知ったんだけど朝持ってた調味料だと思っていたものは、彼女が自分でどった出汁だったらしい
もちろん、親子丼も店で食べる以上に美味しかった

もうこの時俺は彼女にベタ惚れ
食器洗ったり片付けは俺がやってそのあと解散した
そして、俺はそのあとバイトに行ってバイト終わりに友達を誘って飲みに行った
そう、恋愛経験の乏しい俺は友達に恋愛相談をした
その友達は４回生だったけど、彼女のことを知っているみたいだった
なんかの授業で同じ班になったことがあったらしい

結論から言うと、この日の俺はべらぼうに酒を飲んだ
この日のことはほとんど覚えていなかった
気がついたら俺は部屋で寝てたのね
ほんで、目をさますとそこには友達が床で寝てた
コタツの上にはお酒とおつまみがあったから、飲み足りなかったのかなと思いながらトイレにゲロはきにいった

トイレから戻ると友達が目を覚ましてた
そして、昨日のことを聞いたら、どうやら俺を部屋まで送った時に、彼女がよしお目当てで俺を訪ねてきたらしい
ちなみに、俺のすんでるアパートは壁が薄いから帰ってきたり外出したりするのがすぐわかるのね
そこで、二人は顔見知りと言うこともあって、よしおと友達と彼女で一杯やってたらしい(よしおは猫缶ね)

ほんで、友達が色々聞いてくれたらしいんだけど、どうやら俺に脈はないらしかった

なんでも、もうすぐ教育実習とやらが始まるらしくて忙しい時期だったらしい
そして、唯一の癒しがよしおだったらしい
俺のことは眼中になかったらしい
でも、そこでたよりになるのが友達ですよ
俺のバイトってのが塾講師であることや、俺ジブリ好きなんだけど、彼女もジブリ好きであることを探ってくれたり共通点を一杯見つけてくれたの

ちょっと飯食ってくる

ただいまー

そして、とりあえず連絡先を交換しろよってなって次会うときの目標は連絡先交換になった。

しかし、それから2日くらいだったかな？彼女は俺が帰宅してもピンポンならしに来なかった。
俺は結構凹んだよ
友達が彼女に気があることはそれとなく言ってしまったらしくて、それで来なくなったのかなと結構凹んだよ

そして、三日目くらいの夜中に外から
「よしおー、よしおー」
と小さな声と物音が聞こえてきたの
俺は彼女に会いたかったしガラリとベランダの扉を開けた
そしたら、彼女が魚肉ソーセージでよしおを誘惑していた
彼女はかなりビックリしてたけど、家の壁が薄いからか、バレバレだったよと伝えると恥ずかしがってた

ベランダの壁越し(避難するときはこの壁を突き破ってねって書いてある壁ね)で少しだけ話をした
彼女は俺の部屋にくることが迷惑になるのではないかと考えて来ないようにしていたらしい(たぶん、私にその気はないのに訪ねることは俺さんにとって迷惑だ的な？)

そして、俺はそんなことないと言うこととトトロのDVD持ってるよってことを伝えた
彼女はジブリの中でもトトロが一番好きらしかった
今度、一緒にトトロ見ようねってことと、アドレスを教えてもらった

そして、日曜日の夜にトトロを見ようってなった
その日は彼女がくる前からよしおを部屋に入れて、部屋の掃除をして、彼女をお出迎えした
彼女はポップコーンとコーラを持ってやってきたの
彼女の実家では映画を見るときはポップコーンとコーラじゃないといけないらしい

ほんで、まあ一緒にトトロを見たのね
ほんで、見終わったあとよしおと遊びながら色々な話を聞いたの
彼女は俺のことは本当になんとも思ってなかったらしい
しかし、友達の話を聞いてから俺のことを妙に意識してしまうようになったらしい

そして、俺とだったらうまいことやっていけるかな？とかこれから本格的に忙しくなるしなぁとか色々考えてくれたらしい

と、こんなことを話していた
しかし、こんなことを話していては結論が見えないので
「俺と結婚してください」
って言ったんだ
彼女はビックリしたあと爆笑してた
俺は何てことを言ってしまったんだとおろおろしてた
よしおはコタツの上で寝てた

当然こんなに突然なプロポーズに答えを出してくれるわけもなく、この日は解散になった
「ま、考えとくわ！」
って、笑いながら言ってくれたけどね

それから彼女は忙しくなってなかなか会えないことも多くなった
でも、たまによしお目当てに晩御飯を作りに来てくれたよ
そして、よしおもほとんどなかないし、昼間はどっかに行ってるみたいだったからまわりにバレることもなかった

そんな生活が続いて、結構月日が流れたある日の事、夜中にピンポンなったのね
俺はそろそろ寝ようかなと思ってたし、彼女がくるにしては遅い時間だし誰だろと思って、ちょっと怖かったから無視したのね
そしたら、鬼のようなピンポン連打
本気で怖かったから部屋の電気消して寝たふりしてたのね
そしたら、彼女から電話がかかってきたの
彼女は酔っぱらってたみたいで、話を聞いているとカギを無くしたらしい
それで俺の部屋をピンポン連打しているところだと言われた

ピンポン連打の犯人が彼女とわかりホッとしてドアを開けてあげたの
そしたら、結構酔っぱらってた
ニコニコしながら抱きついてきた
そして、
「いつになったら告白してくれるのー？」
って言われた
俺は
「この前したやん」
って、いったら
「この前のはプロポーズ！」
って、怒られた
そこで俺は
「俺は彼女の事が好きです。付き合ってください。」
って真剣に言った

「よかろう」
それが彼女の返事だった
もっと他にあるでしょって思ったけど、彼女なりの照れ隠しだったらしい
そして、彼女は部屋に戻っていった
カギをなくしたと言うのは嘘だったらしい

それから、俺と彼女は付き合うことになった。
彼女は大学卒業後、無事地元の小学校の教員になった
俺は大学院に進み、その後就職をした
よしおは彼女が卒業するときに実家に連れて行ったんだ

以上、ちょっとした思出話でした。
記憶をたどってなので、覚えてない部分は脚色したけど、流れはこんな感じ
質問あれば答えるよ